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私の周囲で諸星大二郎という漫画家を知っている人が少なく、ずっとさみしい思いをしてきました。それで私は少しでも漫画好きの様子がうかがえる人には片っ端から啓蒙用のコミックスを押しつけて読んでもらっていますが、それでもそこまでハマってくれる人は多くはないようです。あの独特の画風?それとも重くて、ある意味壮大すぎる物語のせいでしょうか?
私と諸星大二郎の出会いは高校2年生の時に遡ります。同じクラスの、今思えばかなりオタクの男子がある日机の上にポンと3冊のコミックスを置いて、「これ、読んでみ。」と言いました。それが「暗黒神話」と「孔子暗黒伝(上下)」でした。驚くなかれ、これジャンプ(スーパー)コミックスだったのですが、表紙の結構おどろおどろしい、悪く言えば洗練されていない絵柄に妙に引きつけられました。家に帰ってその日は「暗黒神話」を読みました。(そちらから読め、ということだったので)そうしたら・・・その晩、一睡もできなかったのです。そんなこと、それまで一度もありませんでした。その漫画がぐるぐるぐるぐる頭の中を回って、一種の興奮状態でした。何か知ってはいけない、覗いてはいけない深淵を覗いてしまった、そんな感覚でした。
もともとホラーやオカルトの分野は好きだったし、民俗学や宗教、歴史も好きだった。加えてゴリ押しの謎解きのおもしろさ。ちょうど高二病(遅れてやってきた中二病)の私にドストライクだったのでしょうね。それから続けて「孔子暗黒伝」を読み(この衝撃の追い打ちもすごかった)、しばらくは本当にぼーっと熱に浮かされたようになっていました。でもなぜか人にこの漫画について熱く語ることはしませんでした。それらを貸してくれたその男子とも語り合うこともせず・・・。ひたすら自分一人で関連することを調べてみたり、関連した場所へ行ってみたりして、満足していました。(暗っ!)
その後、諸星大二郎の漫画をおそらく全て読み、大人になって大人買いしましたw。今でもコレクション用、それとは別に普段読む用、そして啓蒙用のセレクトした数冊があります。そう、高二の衝撃的な出会い以来、諸星漫画はずっと私の心の中に渦を巻き続けているのです。
オススメは、と聞かれても、どの作品にもそれぞれの世界があり、また読み手の心理や興味にもよると思うので難しいのですが、「マッドメン」、「妖怪ハンター」シリーズ、「諸怪志異」シリーズなどは比較的読みやすいのではないでしょうか。とても一度には語りきれないので、また別の機会に特に好きな作品をとりあげてみたいと思います。
馬頭星雲が・・・梵天の塔が・・・恐かった(今でも)