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Vikings~海の覇者たち~

自分の精神力が創造とアウトプットに傾くときと、その真逆に吸収とインプットに傾くときがあります。ここ一年ほどずっと後者が続いているようで、時間があれば本や漫画、アニメ、ドラマ、映画に費やしていました。まさに充電期間であると言い訳をしておきます。
人からすれば、ちっとも創造的でなく、ひたすら消費しているだけの趣味の時間に見えるかもしれませんが、自分的には非常に充実した、満たされた時間です。楽しくて仕方ありません。

最近鮮烈な印象に残った「Vikings~海の覇者たち~」というドラマがあります。海外では非常に評価も人気も高いのですが、日本ではあまり知られていないようなので、ぜひもっと周知され、このドラマのファンが増えることを願って紹介したいと思います。(そして是非一緒に語り合いましょう)
これはカナダのヒストリーチャンネルが初めて製作した海外歴史ドラマで、2013年から全世界で放送され、現在第5シーズンまで終了し、2020年第6シーズンで終了することが決定している壮大なドラマです。


ヴァイキングと言えば、「ヴィンランド・サガ」という大好きな漫画があり、ちょうどこの夏にそれがアニメ化されたので、嬉々として見ていました。こちらのアニメも第二クールに続くので喜んでいます。それでこのドラマにも興味が湧き、軽い気持ちで見始めたのですが、すっかりハマってしまいました。ストーリーが進んでいくごとに続きが気になって気になって、連日寝不足になりました。(だいたいドラマにハマると一気見せずにはいられません。これが週一でしか見られないなんて、リアルタイムで見ていた人達はもうすごいストレスだったでしょうね!私なら我慢できませんね!)
私達が普通思い描くヴァイキングのイメージは、北から船に乗ってやって来る野蛮な略奪者、殺戮者というテンプレの、乏しいものです。このドラマは北の民(North Men)の伝説的英雄ラグナルの半生を立軸に、彼らの中に目線を置いて進んでいきます。彼らの生活、文化、思考、宗教、政治、民族、戦い・・・8世紀の北欧を舞台に、当時のイギリスやフランス、地中海、アイスランドなどを巻き込んだすさまじい歴史の物語です。
まず、ほとんど知らなかった彼らの生活がとても興味深い。驚いたことに、普段は彼らも豊かではないが土地を持ち、細々と農業や酪農を営み、民主的に穏やかに暮らしているのです。政治も決して領主や王の専制ではなく、自由に発言もでき、裁判もあり、他の専制君主制の国々よりよほど自由で人々は生き生きとしています。男女や身分による差別もないようです(奴隷というものはあった)。ただ基本祭政一致であり、宗教が生活を支配しています。いわゆる北欧神話の神々を信じ、祀る宗教です。オーディン、トール、ロキ、フレイヤなど、私達にもなじみのある神々が会話の中に何度も登場し、人々は戦って、死んでヴァルハラへ行くことを究極の目標とします。男性だけでなく、女性も戦士です。強いです。生まれながらに戦うことを教えられるのです。しかしよく見れば、戦士ではない人々もいるので、戦士になるかどうかを選べるのかもしれません。彼らにとって海を越えて外の世界へ出て、襲い、略奪することは生活の一部であり、そこに罪悪感はありません。しかし次第にその活動範囲は広まり、略奪するだけではなく、外の豊かな世界、土地を恒久的に手に入れ、安定した生活を求めるようになっていきます。そしてその目的の達成を邪魔するものは当然全て敵とみなします。
昨日の敵は今日の友。逆もまたしかり。仲間と裏切り、友情と家族、名誉と愛情・・・常に状況は目まぐるしく変化し、一体何のために、誰と戦っているのかわからなくなるくらいです。そして戦闘は重量級の肉弾戦。船から下りれば馬に乗ることもありますが、盾と剣、または斧を持ち走って突っ込んでいきます。そう、斧です!鉄槌のようなものもあったような。とにかく一撃が重い!激しい!痛い!
敵から矢が飛んでくると「Shield Wall!」と叫んで一斉に盾で壁を作るのが何度も出てきますが、恰好イイです。が、矢はこの盾を結構ガンガン貫通することを見ると矢で攻撃することは非常に有効であることがわかります。
とにかく戦闘、殺戮シーンが多く、流血もすごいです。血糊、という方がしっくりくるほどに。集団戦法も武器も、いろいろ出てくるので兵法好きには非常に惹かれるものがあります。
それから、宗教の関係で生贄が捧げられる状況も多く(時には人間も)、正視できないシーンもありました。彼らにとっては血は重要な意味を持ち、血を顔に塗ったり、飲んだりすることもたびたび出てきます。このような儀式や宗教も興味深いものです。このドラマを観た後に、北欧神話についてももっといろいろ調べたくなりました。
また、ヴァイキングの侵攻を侵攻される側からの視点で見れば、彼らは異教徒であり、蛮族であり、暴徒で、許すまじき敵であるわけです。この物語には最初に略奪に会うイングランドの修道院の修道士が重要な登場人物として出てきます。この人物と、主人公ラグナルの関係を通じて、キリスト教文化とキリスト教以外の異教(異文化)のぶつかり合いとお互いへの影響が描かれており、これがまさにこの物語の横軸だとも言えるでしょう。異文化への反発、興味、そして受容、融合。異なるものを許容できる者、拒絶する者。
地理と歴史と伝説と。壮大ですが、昼ドラのようなドロドロした人間模様もあり、面白いです。引き込まれます。そして、物語は主人公が死んだ後、次の世代へと移っていきます。戦いは終わることはありません。ヴァイキングたちは何を目指し、どこへ行くのか・・・最終シーズンが楽しみで仕方ありません。

登場人物も魅力的です!好きだったキャラが嫌いになったり、嫌いだったキャラがだんだん好きになったり・・・以下は素直な(?)ネタバレ感想になりますので、ドラマ未視聴の方はご注意ください!

============ネタバレ注意!==============

ラグナル、はじめは主人公にしてはそれほどインパクトないと思っていたけど、じわじわときた。人を惹きつける不思議な魅力がある。笑顔がキュート。でも晩年が辛かった。あそこまで老い、弱くなり、孤独になる必要があったのか。否、そんな「人間臭い」最後だからこそ後に人々の心の英雄になるのかもしれない。あの衝撃的な最期の伝説は昔どこかの本で見て、印象に残っていた。まさかあれがラグナルだったとは。
ラゲルサが登場人物の中で一番好き。美しくて強い。こんな人がいるのにアウスラグにたぶらかされたことが、悲劇の始まり。ラグナルの最後の航海で、おそらく一番幸せだった頃の自分の家族の幻を見る場面があるが、そのラゲルサが本当に美しすぎる(何度も戻して再生した)。
ラグナルにとって最後に求めたものはやはりラゲルサであり、あの頃の家族と自分だったと思いたい。
フロキは本当にあれで最後なのか?確かに辿り着いた現実はあまりにも残酷だった。そもそも彼にしか感じられない、理解できない土地に他人を連れていったのが間違いだったのだ!あの地の話はイライラするだけだった。でもフロキだから生きてる可能性もあると思いたい。皮肉にもフロキはあれほど愛する神の世界になかなか行けない。
ロロ!もういい加減にしてほしい。ブレるにも限度がある。見た目も性格も良いキャラなのに…やはり一度裏切った者はまた裏切る、ということを証明してしまった。それでも自分の中のヴァイキングの魂は捨てられないのだろう。ずっと自分のアイデンティティに悩み続けるのだろう。腹が立つけど、なんか不憫だし憎めない。
なんでみんなそんなにアセルスタンが好きなの?どうして?教えて、エグバード王!自分の血を引いていないのに、本当の孫を差し置いてそこまでアルフレッドに肩入れする意味がわからない。
ハーバードは結局何者で何がしたかったの?少なくとも私はものすごく世俗臭く感じた。なぜ皆彼に惹かれるの?もしかしてメンタリスト!
ヘアマンド司祭、出てきた瞬間に叫んでしまった。背徳の王冠~!やはり中の人はこういう役が似合う。
身勝手で、したたかで、浅慮な女性キャラがこれでもかと出てきて、腹が立ってしかたないけど、最後はだいたいどれも留飲が下がるから、まあ許そう。

しかし、どのキャラも魅力的だ。そして当時のヴァイキング達と彼らの侵攻を受ける国々の文化や自然、生活、そして歴史はこれまであまり詳しく描かれていなかったし、知るすべもなかったが、このドラマを通してそれらに触れ、興味が広がったことは何よりの収穫だった。
早く続きが見たああい!








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