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つれづれなるままに引き出しを開けると、自分でも忘れていたものを思い出したり… ぴったりの処方箋が見つかったり…
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以前、台湾に住んでいました。今でも年に一度は台湾を訪れる機会があります。
台湾と言えば、日本から飛行機で三時間弱、治安も比較的良く、便利で、食べ物は美味しい。親日家が多く、人も親切、お気軽に外国気分を楽しめる国というのが、多くの人が抱くイメージだと思います。もちろん、その通りです。でも観光で数日間訪れるのと、在住するのは大きく違います。
私が住んでいたのももうだいぶん昔です。この十数年で台湾もかなり変わりました。最近台湾を訪れて、台湾もより一層便利になり、綺麗になり、清潔になり、新しい開発区は活気があり、高層ビルが増え、今風の店も増え、道行く若者もスマートになったと感じました。しかしまた同時に「ああ、やっぱり台湾だ、変わっていない」とも感じて、なぜだかほっとするのです。台湾のどこか洗練されていない、バタ臭い感じ。よく言えば大らかな、いい加減さ。亜熱帯の気候、湿っぽくて懐かしい、時には暑苦しすぎる人情と相まって、台湾には独特の他の中華圏にはない文化や習慣や「モノ」があります。香港やシンガポールとは全く違うので、そこが非常に興味深いところです。
台湾に住んだばかりのころは、とにかく全てがカルチャーショックでした。郷に入れば郷に従え、です。先入観なしに経験を重ねていくうち、初めは違和感だらけだったことにも、ずいぶんと慣れました。台湾の「雑多さ」は、なんと表現したら良いのか、本当におもちゃ箱のようです。びっくりもしますが、ワクワクもさせてくれます。不思議で奇妙でおかしなものがいっぱいです。今回、当時の驚きを思い出したり、可笑しさを再認識したりした、そんな幾つかの「おもちゃ」を少しづつ紹介してゆけたらと思います。

(1)檳榔
ビンロウ、と読みます。山間部に自生する椰子に似た檳榔樹の実です。これを噛みタバコのように噛むと、眠気覚ましになったり、気分がハイになったり、疲れが取れたような一時的な爽快感があるため、タクシーやトラックの運転手、建設作業員などが嗜むことが多いようです。実だけでは酸性が強すぎるため、石灰を挟んだり、石灰を塗ったキンマの葉に包まれたものを噛むと、口の中で成分が混じって唾液が真っ赤になり、これを飲み込まずに吐き出して、残った繊維質をしばらくガムのように噛んでから吐き出します。(私は噛んだことはありません。)
昔は道路端や排水溝脇にこの真っ赤な吐き出したものをよく見かけました。初めはそれが何かわからなかったので、てっきり血の跡だと思っていました。病気で吐血したか、何かの傷害事件があって、出血したのか・・・物騒だな、と。
この檳榔は小箱や小袋入りで、道路脇の独特な建物で売られています。大体がトタンやベニヤ板で作られた簡素な掘立小屋のような建物ですが、前面、または三面がガラス張りになっていて、安っぽいギラギラしたネオンで飾られています。檳榔を売る店、すなわち「檳榔攤」は、田舎に行けば行くほど多く見られる気がします。この中で檳榔を売っているのが、「檳榔西施」と呼ばれる若い女性で、なぜかビキニや超ミニスカート、下着のような面積の狭い衣服を身につけて、カウンターに座っており、車が店の前に止まると出てきてくれます。西施は古代中国の美人の名前です。美人のお姉さんが持ってきてくれる、という付加価値付きのサービスなのですね。
今では風紀の面からも、売り子の女性達の恰好は規制され、ずいぶんとおとなしい衣装になりました。また、檳榔の汁を公共の場で吐き出すことは禁止になったので、道端であの赤い血糊のような残骸を見ることも少なくなりました。
しかし、嗜好品であり、需要はあるので、お店は普通にあります。ちなみに檳榔を買えるのは18歳以上です。

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