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つれづれなるままに引き出しを開けると、自分でも忘れていたものを思い出したり… ぴったりの処方箋が見つかったり…
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壇ノ浦

某大河ドラマ「平清盛」が終わりました。視聴率、視聴率、と散々責められ続けていたようですが、私はそこまで悪くはなかったと感じました。ただ、平清盛の生涯に焦点を絞りたかったのか、大好きな「平家物語」のここぞというエピソードが少なかったことと、平家に相対するものとしての源氏が中途半端に描かれてしまったことが物足りなさを感じた原因でしょうか。
私にとっての平家物語は吉川英治の「新平家物語」と言っても過言ではありません。高校生の頃、伯父が出張の際に新幹線の中で読んだから、と言って読み終えた「新平家物語」の文庫本をくれました。ちょうど古文の授業でも「祇園精舎」を暗誦させられたりしていたので、何の気なく読み始めたのですが、少し読んだだけで、もうすっかりハマってしまいました。登場人物一人一人が非常に魅力的に描かれています。悪人ですら魅力的です。文章には勢いがあり、リズムが良くて読みやすく、スッと入ってきます。一つ一つのエピソードがまるでドラマを見ているように具体的に想像できます。それでいて物語の底には一貫して「もののあはれ」「諸行無常」が流れており、とても格調高く、情緒的です。文庫本で全16巻ですので、かなりのボリュームですが、途中飽きることもなく、ほぼ一気に読み終えたような気がします。何度泣かされたことか・・・歴史小説でこれほど涙をしぼることになるとは思いませんでした。さすが日本を代表する大衆作家です。
学校の日本史でさらっと習う平安末期から鎌倉への時代が一気に身近なものに感じられ、この本のおかげで歴史が好きになりました。この本で読んだエピソードとおぼろげな記憶に残っている幼い頃読んだ(見た)子供向けの平家物語の美しい挿絵があいまって、私の頭の中ではいくつかの名場面集が出来上がっています。いつかこれらを映像化できたらいいな~なんて夢を描いています。

幸運なことに、下関市在住の友人がおり、何度か遊びに行かせてもらったことがあります。その時まず連れて行ってもらったのが、壇ノ浦でした。はじめて下関側から眺めた時の高揚した気持ち・・・時代は一気に800年前です。その昔まさにここで平家は滅亡したのです。お昼を過ぎて潮の流れが逆に変わり、平家方の船がちりぢりになってゆく・・・赤い旗が水面に無数に漂ってゆく・・・静かな関門海峡が目の前に広がる小高い展望台に立ちつくしながら、壇ノ浦の合戦の描写を思い出していました。
関門海峡といえば、幕末の長州藩の砲台も再現されており、こちらも非常に興味深いです。幕末に関する場所も付近に沢山あり、歴史好きにはたまりません。なかでもお気に入りは高杉晋作が騎兵隊を旗揚げした功山寺です。山門が渋く、趣があり、初夏の頃もみじの若葉とのコントラストがとてもきれいです。
この壇ノ浦、春の大潮の時には驚くほど潮が引き、ずっと沖のほうまでなんと若布(ワカメ)が黒々と茂っているのが見えるそうです。大型船も通る海峡なのに、そんなになるのですね。地元の人たちは若布を刈りに海へ入るそうで、関門海峡の門司側の山の上には「和布刈(めかり)神社」なるお社があるそうです。これはこれでまた面白そうです。諸星の世界ともほんの少しリンクするような・・・

そんな壇ノ浦はいつかまた訪れてみたい場所の一つです。今度はぜひ春の大潮の時に。


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