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つれづれなるままに引き出しを開けると、自分でも忘れていたものを思い出したり… ぴったりの処方箋が見つかったり…
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イタリア旅行記(3)

フィレンツェはこれまでの印象で暗い街だと思っていました。ドラマや小説のせいかもしれません。フィレンツェにとってはとんだ風評被害です。ルネッサンスの花である芸術、科学の著しい発展が光の部分だとすると、政治的な陰謀や闇の歴史の数々(メディチ家、ボルジア家など)や中世カトリックの理不尽な重苦しさはまさにフィレンツェの影の部分であり、この光と影のコントラストがあまりに強すぎて、なぜか暗い印象を持っていたのです。
フィレンツェの中心部であるシニョリーア広場を歩いては、その石畳がどれだけの血を吸ってきたかを思い、ベッキオ宮殿やジョットオの鐘楼を見上げても、その窓から政敵によって吊るされた人の人影をふと想像して、薄ら寒くなります。本当に、ドラマや映画や小説の刷り込みって恐ろしいものです。しかし実際広場の一角には「サヴォナローラが火刑にされた地点」などが記されています。中世ヨーロッパの歴史は非常に面白いのですが、知れば知るほど血生臭いものでもあります。
しかし今回、春のうららかな明るい陽射しの中訪れた、あちこちでアーモンドの花やレンギョウが満開のフィレンツェは確かに花の都の様相でした。鳥のさえずりが聞こえ、街は活気があり、古い町並みの中に洒落たお店も見受けられ、印象はだいぶ変わりました。街の真ん中あたりをアルノ川が横切っています。フィレンツェは京都と姉妹都市ということですが、京都の真ん中を鴨川が通っているのと似ています。なんとなく川岸の風景も似ているような・・・
その日は朝からまず花の聖母教会へ。赤くて巨大なキューポラ(丸屋根)が有名なこの教会はフィレンツェ象徴でもあります。ドゥオーモ前の広場は平日なので人はそれほど多くありませんが、やはりここにもいました、ジプシー。典型的な民族衣装っぽい身なりの老女が近づいてきては、こちらに向かって十字を切ってお祈りし、なにかめぐんでくれるよう、しきりに言っています(たぶん)。かなりしつこく周りをぐるぐる回っていますが、無視し続けるとあきらめて別の観光客目指して行ってしまいました。

花の聖母教会の正面 白と緑の大理石が美しい堂々たる姿です。キューポラは隠れています

イタリアではよく風景画を売っている画家を見かけます。そこで絵を描きながら(大体は油絵)自分が描いた絵を売っている美大生か、駆け出しの画家なのかと思っていました。結構素敵な絵を売っている画家がいて、観光客が周りを取り囲み、誰かが交渉して、そのうちの一枚を買っていました。値段もそこまで高くなく、私もいいなと思いましたが、これからまだ歩き回るし、丸めただけの絵を持ち歩くのも不便かと思い、やめました。ところが、後々発覚したのですが、その絵はただのカラーコピーだったのです!後で同じ絵を売ってる「画家らしき人」を何人も見かけました。まあ、土産物の一つだと思えば笑いで済みますけどね。
この教会のキューポラにも登ることはできます。高いところから街全体を見渡すにはいいところです。でも後で街外れの丘の上(ミケランジェロ広場)からも街を一望することができるので、今回は上りませんでした。
メルカート・ヌォーヴォ(絹市場跡)の革製品の露店がずらりと並んだ道を通り抜け、予約してあるウフィツィ美術館へと向かいます。この美術館もフィレンツェ観光の目玉なので、各国の観光客が一年中訪れるため、入場制限があり、予約していかないと何時間も並ぶことになります。
この美術館はフィレンツェの行政オフィス(ウフィツィ)とピッティ宮殿を繋ぐ大回廊にメディチ家の膨大な収集品を収蔵したのがはじまりで、1765年に一般公開されるようになったそうです。メディチ家以外の収集品も加わり、ルネッサンス各時代の誰もが美術や世界史の教科書で見覚えのある絵画が時代や作家別に分類され、とても一日では周りきることができません。ダ・ヴィンチ、ラファエロ、ミケランジェロの三大巨匠の作品を堪能することができます。ここは是非日本語音声ガイド(有料貸し出しあり)か、専門のガイドさんと周ることをお勧めします。一つ一つの作品の説明は非常に興味深く、面白く、駆け足で周るにはあまりに勿体無い気がします。

回廊を周る途中に窓から見える景色。正面の屋根のある橋はベッキオ橋(映画「香水」でもでてきましたね)

眺めの良いカフェで一休みするもよし、ミュージアムショップでお土産を探すもよし、この美術館はやはり何度も訪れたくなるお気に入りの美術館です。(まだまだまだ・・・周り足りない)
シニョリーア広場は有名なダビデ像をはじめ、「メドゥーサの首を持つペルセウス」など、華麗な彫刻がずらりと並んで取り囲み、さながら屋外美術館のようです。私は彫刻が好きなので、リアルで躍動感溢れる彫刻を間近に見ることができて(たとえレプリカでも)それはもうワクワクしました。実物はどれも思ったより大きい印象です。そしてこれが一つの石から彫られたとはとても思えない繊細さもあるのです。
広場からそう遠くないところにレオナルド・ダ・ヴィンチミュージアムというのがあり、今回こそ行ってみたいと思っていましたが、残念ながら時間がなく、次回への持ち越しとなりました。サンタ・クローチェ教会やメディチ家の邸宅など、まだまだ訪れたい場所があります。フィレンツェを後にする時、もう一度ミケランジェロ広場から日暮れの街を見ることができました。建物がシルエットになり、オレンジ色の灯りがキラキラとまたたく夜景は、昼間の明るい空の下に赤い屋根がずっと広がる展望とはまた違う味わいがあります。
また、このミケランジェロ広場へアルノ川を渡って緩やかに登っていく丘陵地帯にはいかにもな雰囲気のクラシックな大邸宅が点在し、不動産好きでもある私は思わず、「一体いかほどのお値段なのか」「こんなところに住んだらどんな生活なのだろう」などと夢のある(有り得ない)事を考えずにはおられませんでした。



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