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つれづれなるままに引き出しを開けると、自分でも忘れていたものを思い出したり… ぴったりの処方箋が見つかったり…
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イタリア旅行記(4)

ピサはフィレンツェから車で1時間ほどのところにあります。ピサと言えば斜塔というほど、斜塔のイメージが強いところですが、昔はジェノバ、ベネチア、アマルフィと並んで4大海洋王国として栄えた都市です。でも、フィレンツェからピサまでは海が見える道を通らないためか、斜塔のある場所あたりは全くといっていいほど、海の気配は感じられません。

フィレンツェからピサまでの道はほぼこういう農園風景が続いています。とてものどかです

有名な斜塔はドゥオーモ(聖堂)、洗礼堂と同じ広い敷地内にあり、ロマネスク様式の最高傑作として「カンポ・ディ・ミラコーリ」(奇跡の広場)と呼ばれています。昔は塀で囲まれていたらしく、高い土塀も残っています。周辺はのんびりとした田舎街、たまにピザのお店が目に付くくらいですが、ユニークなのはバスの駐車場からこの広場までは、まるでテーマパークのアトラクションのような二両続きのミニバスに乗って行くという事です。時間にすれば5分程、一昔前風の乗り物から降りると、ここにもいました、自撮り棒の押し売り!バスが着いて、観光客が降りるたび、ザザーッとそちらへ押し寄せていきます。アジア人と見るや、中国語、韓国語、そして日本語で呼びかけています。(恐らく区別はつかないのでしょう)賑やかでしつこい押し売りをすり抜けて、敷地内の門をくぐるとそこまではもう追ってきません。どうやら敷地内ではこの手の物売りは禁止されているようです。
敷地内は芝生が綺麗に手入れされ、白い建物が良く映えます。お天気もよく、観光客も思い思いに芝生に座ったり、写真を撮ったり、くつろいでいます。
斜塔は思っていたよりも傾いているので、驚きます。もう何百年もこの状態なのです。もちろん今は地盤の補強もされていますが、イタリアも地震が多いので、この先いつかは倒れてしまうのではないかと思うと、今この不均衡で美しい姿を目に焼き付けておかなくては!と思うのです。

ガリレオ・ガリレイが頂上から鉄球と綿塊を落として、質量と落下速度の関係を証明したという斜塔

真っ白な大理石が目に眩しいドゥオーモや洗礼堂は11~12世紀に建てられたものですが、ビザンチン様式の装飾も華麗で美しく、ピサが最も勢いのあった往時をしのばせます。聖堂の中にはガリレオがミサの説教の最中に退屈のあまりボーッと眺めていて「振り子の法則」に気がついたとされる大きなランプもあり、教科書で知っている、物理の法則を発見したあの有名な人と、何百年の時を経て、今同じ場所に存在したのだと思うと、ピサ出身の天才ガリレオがなんだかすごく身近に感じられてきます。洗礼堂の中には彫刻が見事な説教壇や大理石の洗礼盤があり、ここではいかに音響効果が良いのかを一日数回、声(お祈りのような、歌のような)や拍手などで実演、説明してくれます。

ピサを後に、一路南へ・・・高速道路から見渡す限り、のんびりとした田園風景が延々と続いています。ゆるやかな丘陵地帯、牧場らしきところに点々と見えるのは羊や馬。広い畑の真ん中にポツンと一軒家が建っているのですが、どう見ても周りに電線などが見えないのです。こういう一軒家の電気やガス、上下水道はどうなっているのか、非常に興味をそそられました。
車窓から見える木立が尖った糸杉から丸い松に変わってきたら・・・いよいよローマが近づいてきたと実感します。
全ての道はローマへ通ず。頭の中にレスピーギの交響詩「アッピア街道の松」(最後の盛り上がり部分)が響いてくるような気がしました。初めてローマを訪れてからもうどれくらい経ったでしょうか。私とローマの出会いは間違いなく往年のハリウッド映画「ベン・ハー」であると断言できます。初めて見る壮大なヨーロッパの歴史の中心、壮大で華麗で苛烈な古代ローマ、カトリックの総本山、古代から連綿と現在に至る栄枯盛衰・・・すべてが全く未知で東洋文化とは正反対の異質な憧れでした。それからもローマを題材とした映画やドラマや本によってその憧れは増幅されてゆきました。そして学生時代、初めて訪れたローマは洗練された現代文明と古代文明が入り混じり、モダンな建物の横には千年以上前の遺跡が顔を出しています。その点では日本の京都や奈良とも似ていますが、建物が石造りのせいか、その存在感は大きく、迫力がある気がします。

ローマの象徴の一つ、コロッセオ(闘技場)。今年は修復中です

コロッセオはローマ中心部から少し離れたところにありますが、地下鉄を利用してもすぐに行けます。実際この壮大な建築物を目の当たりにすると、その迫力には圧倒されます。入場してみると、観客席の様子や、発掘された地下の様子(剣闘士の部屋、猛獣の部屋やアリーナ(1F)へせり上がる手動エレベーター施設など)が良くわかります。やはりここは解説書片手にゆっくりと見て回りたいところです。じっと見つめていると、グラディエーターの時代の様子がオーバーラップされてくる気がして、なんとも感慨深いです。
今回、コロッセオの外壁の穴になぜか色鮮やかなインコが巣を作ってるのを発見しました。インコは世界遺産をねぐらに悠々と周りを飛び回っていました。
日が暮れてくると、ローマの街灯がともります。この街灯の色がオレンジに統一されており、それがこの歴史の街のたたずまいとマッチして、控えめに、そして影の色濃く、街を照らし出します。街の中心部は人通りも多く、賑やかですが、決して派手すぎるネオンや騒音や風情のない看板などに邪魔されることなく、あくまで重厚に、宵闇に包まれて、夜が更けてゆくのです。


パスタ!パスタ! イタリアの食事はパスタ好きにはたまりません!







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